騒音に係る環境基準の評価マニュアル(一般地域編)

環境省|平成27年10月
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騒音に係る環境基準の評価マニュアル(道路に面する地域編)

環境省|平成27年10月
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1. はじめに

1.1 本マニュアルの目的

本マニュアルは、「道路に面する地域」の環境基準の達成状況を評価する方法、及びそのための騒音レベル、道路条件、沿道条件の把握方法を示すことを目的とする。これにより、「道路に面する地域」の騒音の実態把握及び環境基準に基づく統一的な評価が可能となり、道路交通騒音対策の必要性や効果の把握、施策の立案を行う上での必要なデータを得ることができ、総合的な施策の推進に資するものである。

なお、環境影響評価に係る手続きや騒音問題に対処する場合においても本マニュアルに準じた方法で行うことが望ましい。

解説

本マニュアルは、「騒音の評価手法等の在り方について(答申)」(平成10年5月22日中環審第132号、以下「答申」という。)、「騒音に係る環境基準について」(平成10年9月30日環境庁告示第64号、以下「告示」という。)等に基づき、「道路に面する地域」の環境基準の達成状況を評価する方法、及びそのための諸条件を把握する方法について、技術的な留意点を示すことを目的とする。

1.2 本マニュアルで用いる用語の意味

(1) 騒音一般に関する用語の意味

①騒音レベル(LA

A特性音圧の2乗を基準音圧(20μPa)の2乗で除した値の常用対数の10倍で、単位はデシベル(dB)。A特性音圧レベルともいう。

②等価騒音レベル(LAeq,T

ある時間範囲Tについて、変動する騒音レベルをエネルギー的な平均値として表したもの。時間的に変動する騒音のある時間範囲Tにおける等価騒音レベルはその騒音の時間範囲Tにおける平均二乗音圧と等しい平均二乗音圧をもつ定常音の騒音レベルに相当する。単位はデシベル(dB)。

③時間率騒音レベル(LAN,T

騒音レベルが、対象とする時間範囲TのN%の時間にわたってあるレベル値を超えている場合、そのレベルをN%時間率騒音レベルという。なお、50%時間率騒音レベルLA50を中央値、5%時間率騒音レベルLA5を90%レンジの上端値、95%時間率騒音レベルLA95を90%の下端値などという。単位はデシベル(dB)。本マニュアルでは特に混同のおそれがない場合には単にLANと表す。

④最大騒音レベル(LA,Fmax

騒音の発生ごとに観測される騒音レベルの最大値。騒音計の動特性はFAST。単位はデシベル(dB)。

⑤最小騒音レベル(LA,Fmin

騒音の発生ごとに観測される騒音レベルの最小値。騒音計の動特性はFAST。単位はデシベル(dB)。

⑥総合騒音

ある場所における、ある時刻の総合的な騒音。

⑦特定騒音

総合騒音の中で音響的に明確に識別できる騒音。騒音源が特定できることが多い。

⑧残留騒音

総合騒音のうち、すべての特定騒音を除いた残りの騒音。

⑨暗騒音

ある特定の騒音に着目したとき、それ以外のすべての騒音。

解説

①騒音レベル(LA

A特性音圧(pA)とは、周波数重み特性Aを通して測定される音圧実効値(パスカルで表した大気中における圧力の瞬時値と静圧との差の二乗の時間平均の平方根)である。単位はパスカル(Pa)。

②等価騒音レベル(LAeq,T

変動する騒音のレベルのエネルギー的な平均値であり、音響エネルギーの総暴露量を時間平均した物理的な指標であるため、異なる音源からの騒音を合成したり、逆に特定の音源の寄与割合を求める等の演算の合理性に富む。このことにより音響的な計算が簡便であり、予測計算方法も単純化される。また、睡眠影響やアノイアンス(人に感じられる感覚的なうるささ)との対応にも優れているとされている。

エネルギー的な総暴露量を反映しているため、発生頻度が少なくレベルの高い騒音(例えば、たまに通過する大型車類など)に対しても比較的敏感な指標である。しかしその反面、測定時に突発的に発生した高レベルの特異音などの測定値への影響が大きく、特に騒音があまり大きくない場所(交通量の少ない道路沿道や一般地域など)における測定では特にこの点に注意を要する。

③時間率騒音レベル(LAN,T

LA50をはじめ、時間率騒音レベルは統計的な指標である。したがって、異なる音源による寄与を合成したり、複合的な騒音から分解することは原理的に不可能であり、複合的な騒音影響の把握や予測計算などでは取り扱いが難しい。

また、ある時間内でレベルの高い騒音が発生しても、その頻度が少なければLA5やLA10は増加するがLA50はほとんど増加しない。このようにLA50は安定した測定値が得られやすいが、逆にレベルの高い騒音の発生に対して敏感な指標ではない。

他方、時間率騒音レベルは、(LA5、LA50、LA95)等の一組の時間率騒音レベルがわかれば、その騒音の統計的性質がある程度わかることになり、騒音エネルギーの平均的暴露量を反映したLAeqだけでは把握できない騒音の統計的な特性を把握する上では重要な指標であるといえる。

④最大騒音レベル(LA,Fmax

対象とする時間範囲に発生した騒音レベルの最大値(時間重み付け特性Fによる騒音計の指示値の最大値:LA,Fmax)も、測定対象以外の騒音の混入によるLAeqの変動要因を把握するための参考指標となる。

⑤最小騒音レベル(LA,Fmin

対象とする時間範囲に発生した騒音レベルの最小値(時間重み付け特性Fによる騒音計の指示値の最小値:LA,Fmin)も、暗騒音を把握するための参考指標となる。

⑥総合騒音

従来は「環境騒音」とも呼ばれていた。その場所、その時刻における全ての騒音をいう。

⑦特定騒音

(主に人間の耳で)聞き分けられる個々の騒音であり、何が騒音源であるか特定できることが多い。

⑧残留騒音

総合騒音からすべての特定騒音、即ち音源の特定できる騒音を除いた残りの騒音であり、特に都市部においては都市全体を覆う(指向性の感じられない)遠方の道路交通騒音などが主な騒音源であると考えられる。なお、従来からこの残留騒音を指して「暗騒音(バックグラウンドノイズ)」と呼ぶ場合も多くみられたので注意が必要である。

⑨暗騒音

ある特定の騒音に着目したとき、それ以外のすべての騒音を暗騒音という。したがって、たとえ着目している騒音以外のある騒音の方が大きく支配的であっても、それは暗騒音(の一部)である。

(2) 評価方法に関連する用語の意味

①評価対象道路

「道路に面する地域」の環境基準に係る地域の類型あてはめ区域内にあって、騒音暴露状況を把握するために、道路交通騒音の発生源となる道路をいう。本マニュアルでは、「2車線以上の車線を有する道路(C地域にあっては車線を有する道路)」とする。

②幹線交通を担う道路

次に掲げる道路をいう。

  1. 道路法(昭和27年法律第180号)第3条に規定する高速自動車国道、一般国道、都道府県道及び市町村道(市町村道にあっては4車線以上の区間に限る)。
  2. 前項に掲げる道路を除くほか、道路運送法(昭和26年法律第183号)第2条第8項に定める一般自動車道であって都市計画法施行規則(昭和44年建設省令第49号)第7条第1項第1号に定める自動車専用道路。

③評価区間

「評価対象道路」の道路条件等から道路交通騒音の影響が概ね一定とみなせる道路区間をいう。

④評価範囲

「道路に面する地域」の評価を行うにあたって、騒音の状況及び住居等の戸数などを把握するために設定する道路端から横断方向への一定の範囲をいう。

⑤近接空間

幹線交通を担う道路に近接する空間で、幹線交通を担う道路の車線数の区分に応じ、道路端から以下に示す距離の範囲をいう。

  1. 2車線以下の車線を有する幹線交通を担う道路:15m
  2. 2車線を超える車線を有する幹線交通を担う道路:20m

⑥非近接空間

評価範囲のうち近接空間以外の範囲をいう。

⑦背後地

評価範囲において、道路に直接面していない2列目以降の住居等の位置する場所をいう。

⑧騒音発生強度

「評価対象道路」より発生する道路交通騒音の大きさをいう。道路近傍の等価騒音レベル(LAeq)で与えられる。

⑨受音点

個別の住居等における騒音の影響を受けやすい面を代表する点をいう。

解説

①評価対象道路

環境基準に係る地域の類型あてはめ区域内の、2車線以上の車線を有する道路(C地域にあっては車線を有する道路)すべてを対象とする。なお、環境基準に係る地域の類型あてはめ区域については、「2.2. 地域類型と環境基準値」及び参考資料1を参照すること。

②幹線交通を担う道路

国土交通省が実施している「全国道路・街路交通情勢調査-一般交通量調査-」(以下「道路交通センサス」という。)は都道府県道以上の道路および政令指定市の主要市道を調査対象道路としており、「幹線交通を担う道路」は、概ね道路交通センサスの対象道路と見なしてよい(ただし、交通不能区間及び未供用区間を除く)。

また、道路交通センサス調査対象区間とはなっていない4車線以上の市区町村道も「幹線交通を担う道路」であり、本マニュアルで評価の対象とする道路となる。

③評価区間

評価区間は、騒音測定を行う「観測区間」と、当面測定を行わない「非観測区間」に分けられる。詳細は「1.4 評価区間」を参照すること。

④評価範囲

道路条件や沿道条件が異なることから、「道路に面する地域」(道路交通騒音が支配的な音源である地域)を一律に設定することはできない。そのため、各地方公共団体が規定する「道路に面する地域」の環境基準を適用する範囲を、評価区間毎に確認し、適切に設定する必要がある。

なお、道路端とは、道路境界、敷地の境界、官民境界とも呼ばれ、管理者が異なる道路が同一断面に複合している場合は、各道路の中で最も民地側に位置する境界を道路端とする。詳細は「1.5 評価範囲」を参照すること。

⑤近接空間

告示に示される「幹線交通を担う道路に近接する空間」の略称。

⑥非近接空間

「背後地」が建物の立地状況に対応した捉え方であるのに対し、「近接空間」「非近接空間」は、道路端からの一定の距離の範囲による捉え方であることに注意する必要がある。評価範囲、近接空間/非近接空間、背後地等の関係については図1-1、図1-2を参照すること。

図 1-1 道路に面する地域の評価対象道路における評価範囲等の概念図

図 1-2 幹線交通を担う道路に面する地域の評価対象道路における評価範囲等の概念図

⑦背後地

道路に面する地域以外の地域(一般地域)を指すものではない。

⑧騒音発生強度

道路交通騒音の「音源としての強さ」を示すものであり、当該評価区間における自動車の発生騒音(主としてエンジン系騒音、タイヤ/路面系騒音)及び交通量等により定まる。評価区間は道路構造、交通量等の自動車騒音に係る要因が概ね一定とみなせる区間に分割されることから、この騒音発生強度は評価区間内では一定とみなされ、「2.4. 騒音レベルの把握方法」に示す測定値、推計値をあてる。

⑨受音点

寝室や居間等の騒音の影響を受けやすい面を代表する点に設定する。ただし、個別に判断が難しい場合には、道路に近い側の壁面位置としてもよい。

(3) 測定法、測定機器に関連する用語の意味

①基準時間帯

一つの等価騒音レベルの値を代表値として適用しうる時間帯をいう。(「騒音に係る環境基準」では、昼間(6:00~22:00)と夜間(22:00~6:00)を基準時間帯としている。)

②観測時間

騒音レベルを測定する際の対象とする時間をいい、騒音の状態を一定と見なせる時間とする。本マニュアルでは、当面観測時間の長さは1時間とする。

③実測時間

観測時間のうち実際に騒音を測定する時間をいう。例えば本マニュアルでは、道路交通量が一定以上で時間内の変化が小さいような場合には、観測時間1時間のうち実測時間を10分間とする。

④騒音計

「騒音計」とは、騒音レベル(LA)を測定する計測器をいう。計量法第71条の条件に適合した騒音計を使用すること。

⑤周波数重み付け特性

騒音計に用いられている周波数補正特性(回路)をいう。人間の聴覚が音の周波数により感度が異なることなどを考慮して決められた。騒音レベルの測定にはA特性を用いる。

⑥時間重み付け特性

騒音計やレベルレコーダに用いられている音圧実効値を求めるための特性(回路)をいう。指針の振れ速さを変えるので動特性とも呼ばれる。F特性(速い動特性、FAST)とS特性(遅い動特性、SLOW)の2つが用いられ、時定数で表すとそれぞれ0.125秒と1秒である。

⑦ウインドスクリーン

マイクロホンに風が当って発生する風雑音の影響を抑制するためのスポンジ状のキャップをいう。屋外で測定を行う場合は、騒音計のマイクロホンには必ずウインドスクリーンを装着する。

⑧音響校正器

騒音計の感度を校正するための機器をいう。本マニュアルでは、マイクロホンも含めて騒音計が正常に動作することを確認するために使用する。

⑨レベルレコーダ

測定中の騒音レベルの変動の監視、暗騒音レベルを確認するため、騒音レベル等の時間変化を記録紙にペン書き記録する機器をいう。一般の騒音測定では、時間重み付け特性を備えるレベルレコーダに騒音計の交流出力信号を接続して用いる。

解説

①基準時間帯

この時間帯区分は全国で一律に適用される。

②観測時間

観測時間の長さは、騒音の時間変動特性を考慮して適切に定められるべきである。このような騒音時間変動の特性は対象箇所により一律ではなく、一般化することは難しいが、当面は観測時間を1時間単位とする。

④騒音計

測定には、計量法第71条の条件に合格し、JIS C 1509-1の仕様に適合する騒音計(サウンドレベルメータ)を用いる。JIS C 1509-1に適合する騒音計が使用できない場合、JIS C 1502又はJIS C 1505に適合する騒音計を使用してもよい。騒音計の更新や新規購入時には、JIS C 1509-1に適合する機種を選定する。

使用時の留意点は「3.4 測定機器」を参照すること。なお、計量法第71条の条件とは、騒音に係る環境基準の告示において、「測定は、計量法第71条の条件に合格した騒音計を用いて行うものとする。」としており、この条件を満たさない騒音計で測定した結果は環境基準の基準値と比較して評価することはできない。計量法第71条は、検定合格の条件を定めるものであり、計量法第71条の条件に合格した騒音計とは、検定に合格している騒音計である。検定に合格していることは、有効期間内の検定証印等(検定証印又は基準適合証印)が付されていることで確認が可能である。また、騒音を測定・評価し、公表することは計量法上の証明に当たることから、計量法の観点からも有効期間内の検定証印等が付されていない騒音計は使用することできない(計量法第16条)。

検定の技術基準は、特定計量器検定検査規則(以下、検則という。)で規定されているが、検則が平成27年4月1日に改正公布され、平成27年11月1日に施行されることとなった。今回の改正では、JIS C 1509とは別に検則に引用するために平成26年12月に制定されたJIS C 1516(国際規格であるIEC 61672-1:2013及びIEC 61672-2:2013と整合)を引用することで、「使用環境に応じた性能要求事項及びその検査方法等の追加」、「検定公差及びその検査方法を厳格化」、「校正方法の国際整合化」などの変更が実施された。

なお、改正検則には経過措置が設定されている(図1-3参照)。

図 1-3 改正検則の経過措置

⑧音響校正器

ISO 1996-2:2007においては、一年に一度、音響校正器を校正することが推奨されている。日本においては、校正実施時の器差の実績より3年以内であれば大きな器差が生じていない。これを踏まえ、3年を超えない周期で音響校正器の校正を行うべきである。

音響校正器の校正は、通常、製造業者等で行うものであり、使用者が独自に行うことはできない。また、校正に使用するマイクロホンの標準器は、国家計量標準にトレーサビリティが確保できる計量器であるべきであり、国家計量標準にトレーサビリティが確保できる標準器による校正は、以下の二つの場合が考えられる。

  1. JCSS登録事業者またはそれと同等とみなせる海外の登録事業者による校正であること。(この場合、校正された音響校正器にはJCSS校正証明書が付されていることが望ましい。)なお、同等とみなせる海外の登録事業者とは、例えば、国際試験所認定協力機構(ILAC)又はアジア太平洋試験所認定協力機構(APLAC)の相互承認取決に署名している機関から、ISO/IEC 17025への適合について認定、登録を受けている事業者のことをいう。
  2. 国家計量標準にトレーサビリティが確保できる標準器を所有する製造業者による校正であること。(この場合、校正された音響校正器には、試験成績書及びトレーサビリティ体系を証明する書類が付されていることが望ましい。)

⑨レベルレコーダ

JIS C 1512に適合するものを使用する。ただし、レベルレコーダの値を読み取って等価騒音レベルを求めてはならない。

1.3 対象とする騒音の範囲

「道路に面する地域」で対象とする騒音は、道路交通等に起因する騒音である。環境基準の適用対象外である騒音や、環境基準に基づく騒音の評価の妨げとなる騒音は除外して評価を行う。

解説

「道路に面する地域」において、常態として存在する道路交通騒音や地域特有の騒音等を把握し、その行政的対応や、対策を立案するためには、評価の対象から「3.6 除外すべき音の処理」に示す音を除外して評価する必要がある。

1.4 評価区間

評価区間は、概ね道路交通騒音の影響が一定とみなせる区間とし、道路交通センサス調査区間程度とする。ただし、その区間内で、道路条件、交通条件等が大きく変化する場合は、適宜、道路交通センサス調査区間を分割する。

解説

評価対象道路を道路交通騒音の影響、すなわち「騒音発生強度」が概ね一定とみなせる区間に分割しようとするものであるため、道路交通センサス調査区間に分割することを基本とするが、例えば以下のように、道路構造や交通量など道路からの騒音の大きさに係る要因が変化する場合には、これをさらに分割する必要がある。

  1. 車線数の増減、高架道路の併設、遮音壁等対策の設置など道路条件が大きく変わる場合
  2. 交通量、速度、車種構成、時間変動パターン等交通条件が大きく変化する場合
  3. 沿道建築物の疎密による反射等の影響の変化により音響特性が大きく変わる場合

なお、以下についても留意すること。

  • ひとつの道路交通センサス調査区間の中には環境基準に係る地域の類型あてはめ区域外も含まれている場合がある。この場合には当該区間の中の地域の類型あてはめ区域内の部分を評価区間とする。
  • ひとつの道路交通センサス調査区間が複数の市町村にまたがる場合も見られる。市町村ごとにデータを整備し、評価していく必要がある場合には、この道路交通センサス調査区間を各市町村ごとに分割し評価区間とする。
  • 道路交通センサス調査区間となっていない道路の場合は、上記の考え方により評価区間を設定する。
  • 道路交通センサス調査区間は、交通量等が概ね一定とみなされる区間に分割し調査されていることから、推計により騒音レベルを把握する場合は、評価区間も概ねこの道路交通センサス調査区間に対応して設定する。
  • 評価区間の捉え方は図1-4を参照すること。

図 1-4 評価区間及び評価範囲の概念図

1.5 評価範囲

「道路に面する地域」の評価を行うにあたり、騒音及び住居等の戸数などを把握すべき範囲(評価範囲)は、道路条件や沿道条件をもとに各地方公共団体が判断して設定する。

解説

「騒音に係る環境基準の改正について」(平成10年9月30日大気保全局長通知、以下「通知」という。)では、「『道路に面する地域』とは、道路交通騒音が支配的な音源である地域のことである。なお、道路交通騒音の影響が及ぶ範囲は、道路構造、沿道の立地状況等によって大きく異なるため、道路端からの距離によって一律に「道路に面する地域」の範囲を確定することは適当ではない」とされている。

補足

道路条件や沿道条件が異なることから、「道路に面する地域」を一律には設定できないが、騒音規制法第18条に基づく常時監視業務(地域の騒音暴露状況や、単体規制等の施策の進捗状況を統一的かつ継続的に把握)に当たっては、道路端から一定の範囲を定め、この範囲内で騒音等を把握する必要がある。そのため、一般的に道路交通騒音の及ぶ範囲等を考慮して、「自動車騒音常時監視マニュアル」では便宜的に道路端から50mとしている。

この評価範囲は、「道路に面する地域の環境基準を適用する範囲」を示すものではなく、さらにこの範囲を固定的・画一的に評価の母数としようとするものでもない。

したがって、各地方公共団体等が独自に道路端から50mを超える範囲の評価を行うことや道路交通騒音の及ぶ範囲がより限定されるような場合に評価範囲をたとえば「道路端より20m」とすることなどを、妨げるものではない。