騒音に係る環境基準の評価マニュアル(一般地域編)

環境省|平成27年10月
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騒音に係る環境基準の評価マニュアル(道路に面する地域編)

環境省|平成27年10月
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3. 騒音等の測定方法

3.1 測定地点の選定

目的に応じて、適切な地点を選定する必要がある。

  1. 「騒音発生強度」を把握する場合は、概ね直線区間で見通しのよい道路端
  2. 個別の住居等「受音点等における騒音レベル」を把握する場合は、評価対象の騒音を適切に把握できる位置

解説

測定地点の選定に当たっては、航空機、鉄道、建設作業等からの騒音の影響を受ける場所は避けるほか、以下に留意する。なお詳細は「3.5 騒音測定方法」を参照すること。

①「騒音発生強度」の把握

沿道の建物等により道路からの騒音が遮蔽されないような地点を選定する。交差点部を避け、道路の線形(平面、縦断)はおおむね直線とみなせる区間で、縦断勾配は2%以下の区間が望ましい。

②個別の住居等「受音点等における騒音レベル」の把握

測定目的に照らして適切な地点を選定する。例えば、騒音対策効果を正しく把握できる位置、騒音の現況を正しく把握できる位置等に測定地点を設定する。

3.2 測定項目

測定項目は、昼間と夜間の等価騒音レベル(LAeq)及び騒音測定時の交通条件(車種別交通量、速度等)とする。騒音レベルの分布特性を把握するため、時間率騒音レベルも測定することが望ましい。

解説

騒音レベルは基準時間帯(昼間(6:00~22:00)、夜間(22:00~6:00))毎の等価騒音レベル(昼間:LAeq,16h及び夜間:LAeq,8h)を測定し、計量単位はデシベル(dB)を用いる。

なお、求める値は、ある特定の1時間値や時間帯内の最大値ではなく、基準時間帯(昼間16時間、夜間8時間)を通じたエネルギー平均が原則となる。ただし、基準時間帯の中を騒音が一定とみなせるいくつかの時間(すなわち観測時間)に区分し、観測時間別の等価騒音レベルを測定した後、それらのエネルギー平均値を積分することにより求めてもよい。

また、交通条件の測定については、「3.8 交通条件」を参照すること。

なお、時間率騒音レベルは、発生要因等測定地点の騒音の特性を把握し、対策を考える上で重要な情報をもたらすものであり、LAeq測定時にLA5、LA10、LA50、LA90、LA95を併せて把握することが望ましい。また、除外音の混入の有無をチェックするためにもLA,Fmaxを、暗騒音をチェックするためにLA,Fminを、同時に把握しておくことが望ましい。

3.3 測定の時期と時間

(1) 測定時期

騒音の測定は、1年を代表すると思われる日を選び行う。通常は交通量が1年のうちで平均的な状況となる日で、土曜日、日曜祝日を除く平日に行う。

解説

告示では、「評価の時期は、騒音が1年間を通じて平均的な状況を呈する日を選定するものとする。」としている。道路交通騒音の測定時期は平均的な自動車交通量となる日を選ぶ必要がある。自動車交通量は観光地等を除いて季節的に大きな変動は見られないが、天候等が安定していることから騒音の測定は秋季に行うことが望ましい。また、自動車交通量は曜日により大きく変動するため「平均的な状況」として平日に行うこととする。

季節的には秋季以外に行うことも可能であるが、年末年始、帰省時期、夏休み等教育機関の休みの時期は避けるべきである。

(2) 観測時間に区分して間欠的に測定を行う場合の実測時間

観測時間に区分して間欠的に測定を行う場合の実測時間は、原則として10分間以上とする。

  1. 観測時間における交通量が一定以上で時間内の変化が小さく、10分間で当該観測時間内の交通流が代表できる場合は、実測時間を10分間としてもよい。
  2. 交通量が少なく間欠的となる場合は、a) 実測時間を長くする、b) 連続測定とする方法のいずれかによるものとする。

解説

観測時間に区分して間欠的に測定を行う場合の実測時間とは、実際に騒音を測定する時間であり、騒音レベルの変動等の条件に応じて観測時間の一部、例えば観測時間が1時間であれば、毎正時から10分間等を実測時間とする。この場合、連続測定した場合と比べて統計的に十分な精度を確保しうる範囲内で適切な実測時間を定めることが必要である。

基準時間帯内のLAeq計測において、観測時間に対する実測時間の割合を大きくとればとるほど、その観測時間におけるLAeqは信頼できるものとなるが、この割合は、観測時間内あるいは基準時間帯内の総交通量の多寡によって変わってくる。経験的には、誤差を2dB程度に収めるためには、実測時間内に合計200台以上の車両が通過するように実測時間を定めればよいと考えられており、これを目安として実測時間を設定する。

実測時間を定める時に交通量との関係において留意すべき点を以下に示す。

  • 観測時間1時間あたりの実測時間を10分間とする場合、時間交通量が1,200台/時(同20分間とする場合は600台/時)以上あれば、その観測時間のLAeq,1hは一定の精度で把握できる。
  • 同様に観測時間1時間あたりの実測時間を10分間とする場合、基準時間帯内の交通量(昼間なら16時間、夜間なら8時間の交通量)が1,200台(同20分間とする場合は600台)以上あれば、その基準時間帯のLAeqは一定の精度で把握できる。しかし、この場合は、10分間測定で得られたLAeqの値は、必ずしもその1時間のLAeq値を代表できるものではないことに十分注意することが必要である。交通量が少なく、間欠的な交通状況のもとでLAeqの1時間値を取得する必要がある場合には、実測時間をさらに長く取る、あるいは連続測定を行う必要がある。
  • 大型混入率や平均走行速度等の交通特性が基準時間帯内で一定ではないため、例えば夜間の最初の方で200台程度の車両が通過する時間を実測し、これをもって夜間LAeq,8hとすることはできない。

以上の留意事項を考慮し、予め観測区間の時間別交通量の変動、特に夜間の時間帯交通量及び時間別交通量の最大と最小等を把握しておき、適切な実測時間を設定する。

図 3-1 観測時間と実測時間の関係

3.4 測定機器

騒音計は、計量法第71条の条件に適合した騒音計を使用する。

解説

測定には、計量法第71条の条件に合格し、JIS C 1509-1の仕様に適合した騒音計を使用するものとし、かつ検定証印等の有効期間内であることが必要である。

なお、その他留意すべき点を以下に示す。

  • レベルレコーダは、突発音等をチェックするために活用することができる。ただし、レベルレコーダの値を読み取って等価騒音レベルを求めてはならない。
  • 測定にあたっては、騒音計の電気校正及び音響校正等による動作確認を必ず行う。動作確認には、音響校正器を用い、音響校正器が発生する音に対する騒音計の表示値と騒音計の取扱説明書に記載されている値とを比較して騒音計の感度を点検する。
  • 音響校正器を用いて騒音計の指示値を確認する際に、騒音計が表示すべき値は騒音計の型式ごとに決まっている。騒音計が表示すべき値は必ずしも音響校正器の公称発生音圧レベルに等しいとは限らないため、取扱説明書に記載されている値を確認すること。
  • 騒音計の表示値と取扱説明書に記載されている値との差が±0.7dB以上異なっている場合、故障している可能性があるため騒音計の点検修理が必要である。
  • 本マニュアルによる測定では、操作ミス防止の観点から、レベル指示値の調整が適切に行われていることを前提として、測定現場においては音響校正器を用いて騒音計のレベル指示値の調整は原則として行わない。
  • 普通騒音計及び精密騒音計を規定していたJIS C 1502及びJIS C 1505は2005年に廃止されたが、普通騒音計はJIS C 1509-1のクラス2の騒音計に、精密騒音計はクラス1の騒音計に対応している。
  • JIS C 1509-1にはEMC(電磁両立性)に関する性能が規定されており、これに適合する騒音計は、電磁波などによる影響が規格の許容限度値以内である。一方、これに適合していない騒音計は、強力な電磁波による影響を受けていたとしても、それを確認する手段がなく、またその際には騒音計の性能は保証されない。

3.5 騒音測定方法

(1) 測定点の位置

騒音計のマイクロホンは、目的に応じて、適切な位置に設置する必要がある。

  1. 「騒音発生強度」を把握する場合は、原則として道路端に設置する。
  2. 個別の住居等「受音点等における騒音レベル」を把握する場合は、住居等の建物の騒音の影響を受けやすい面を考慮して、原則として建物から2m以上離れた地点に設置する。
  3. ただし、①②いずれの場合も、建物による反射の影響が無視できない場合には、これを避けうる位置で測定する。

解説

②個別の住居等「受音点等における騒音レベル」を対象とする場合

環境基準に係る測定においては、告示にもあるように、「住居等の用に供される建物の騒音の影響を受けやすい面における騒音レベルによって評価」することとされており、その位置としては「建物から1~2m」(通知)とされているが、原則として建物から2m以上離れた地点に設置することが望ましい。

③反射の影響

環境基準においては、当該建物による反射の影響が無視できない場合は、反射の影響を避けうる位置で測定するものとする。この場合、外壁の端部から3.5m以上離れている地点等、評価を行おうとする建物近傍の地点が音源から受ける騒音と同等の騒音を受けるとみなすことができ、当該建物による反射の影響を受けないと考えられる位置まで移動して測定を行う。

やむを得ず反射の影響が無視できない位置で測定する場合は、3.5(2)に示す反射音の補正等を行う。

なお、市街地等では住居等が密集し道路に接近して立地していることが一般的であり、測定作業上の理由から適切な場所が無い場合は、交通量の少ない交差街路上の相当地点とする。ただし、その場合は、交差街路を出入りする自動車の騒音は除外する。

(注)測定に際しては、道路の使用許可等、必要な手続きを行うこと。

図 3-2 建物による反射を避けるための測定点の配置例

(2) 反射音の補正等の方法

反射の影響が無視できないような位置でやむを得ず測定を行う場合には、実測値を補正するなど適切な措置を行う。

解説

建物の外壁面が音源である道路に直接面している場合(ほぼ平行な外壁面が直接面している場合)に、その外壁面から音源側1~2mの位置でやむを得ず測定を行う場合には、実測値を補正するなど適切な措置を行うこととする。ここで「建物の外壁面が音源である道路に直接面している場合」とは、建物の外壁面と道路のなす角度が20度程度以下であり、遮蔽物がなく音源が見渡せる場合を指す。補正を行う場合の方法は、当分の間次表を参考とする。

建物の外壁面と道路のなす角度が20度程度を超える場合についても、反射の影響を受ける場合があり得るので、可能な限りこれを避け得る位置で測定を行うことが必要である。

なお、上記の反射音の影響に関する補正は、あくまで評価対象住居等の外壁面による反射音を対象としているものであり、高架裏面等の道路構造物あるいは道路反対側のビル等周辺建物による反射音を対象としているものではない。

表3-1 建物による反射音補正値

測定地点と建物の外壁面との位置関係当該建物による反射音補正値
測定地点が建物の外壁面の直前1~2mの位置にある場合-2dB

(注)測定地点が建物の外壁面の直前1~2mの位置にある場合、補正値として-2dBとする。

図 3-3 反射音を除外する場合の事例

(3) 測定点の高さ

マイクロホンの高さは、住居等生活面の高さとする。

解説

環境基準に係る測定は、「住居等の建物の騒音の影響を受けやすい面における騒音レベルによって評価」するための騒音測定であることから、測定高さすなわちマイクロホンの高さは評価区間内の住居等生活面の平均的な高さとする必要がある。

なお、騒音規制法第17条第1項の規定に基づく環境省令で定める限度(要請限度)と比較する場合は原則として地上1.2mの設定になっているが、環境基準の評価においては、評価区間の住居等の状況を勘案して設定する必要がある。例えば、個別の住居等における場合、上層階の生活面の高さでの測定も加えてもよい。

マイクロホンの位置が決定したときは、車道端からの距離と車道面からの高さを必ず計測し、記録しておかなければならない。

図 3-4 個別の住居等における騒音レベルを把握する場合の測定点の配置例

(4) 騒音計の動特性

騒音計の動特性(時間重み付け特性)はF特性(速い動特性、FAST)とする。等価騒音レベル(LAeq)のみを計測する際はF特性(速い動特性、FAST)、S特性(遅い動特性、SLOW)いずれでもよい。

解説

騒音計の動特性は、時間率レベルを算出する場合に必要となる。なお、等価騒音レベルの対象とする騒音の瞬時A特性音圧は、騒音計内部で演算するので動特性に影響されない。

3.6 除外すべき音の処理

除外すべき音の処理は、分析時に実測時間を細かく区分して、除外すべき音が発生したときの時間区分のデータを除いて統計処理する。

解説

①除外すべき音

航空機騒音、鉄道騒音及び建設作業騒音は、「騒音に係る環境基準」を適用しないものとされている。これらの騒音が「騒音に係る環境基準」の評価において測定値に影響を与える場合は、測定・評価の対象から除外する。

(注)航空機騒音及び新幹線鉄道騒音については別に環境基準が定められている。在来鉄道騒音には環境基準がないものの、新設又は大規模改良に際しての騒音対策の指針値が示されている。また建設作業騒音にも環境基準はないが、騒音規制法第15条に基づき規制基準値が定められている。

以下の音については除外して評価する必要がある。

a) 平常でない自然音

鳥の鳴き声、虫の声、木の葉擦れの音等の自然音が等価騒音レベルの測定値に影響を与える場合(騒音レベルは高くないが、長時間続く自然音)は測定・評価の対象から除外する。

b) 通常は発生しない人工音

パトカーが近くを通過する際のサイレン音、整備不良・マフラー改造によって異常に大きな音を発生させる車両の騒音等の発生時間は短いが、騒音レベルが高い音は測定・評価の対象から除外する。

c) 測定による付加的な音

測定を実施することにより発生する音で、異常にLAeqを高くしている場合の音は測定・評価の対象から除外する。測定員への話かけや測定員に吠える犬の声、測定器等を避けるための自転車の急ブレーキ等は除外すべき騒音である。また、咳払い等、測定者自身が発生する音にも注意する。

表3-2 除外すべき音の判断の事例

除外すべき音騒音源の事例
a) 平常でない自然音風雨・枯葉など自然に係る音、カエル・カラス・セミ・秋の虫など動物等の鳴き声等
b) 通常は発生しない人工音事件・事故、暴走族の通過、救急・緊急車両、選挙活動、防災無線等行政的に必要な音、古紙回収などのスピーカーを使った移動販売、その他騒音として認識されない音である梵鐘・花火・祭り・運動会の音等
c) 測定による付加的な音測定者に対する話しかけ、測定を見つけての自転車ブレーキ音、犬の鳴き声、測定器に対するいたずら、たまたま測定点の前面に停車した清掃車等

前もってこれらの騒音が発生しないような適切な場所、測定時期、測定時間を選定することが重要である。また、測定機器の設置に配慮し、測定を実施中である旨の注意表示等を行うとよい。

なお、発生時間が極端に短い音で等価騒音レベルに影響を及ぼさない騒音については、除外しなくてもよい。

②除外すべき音の処理方法

観測時間内を、適切な実測時間に区分し、各区分ごとのLAを連続的に求めておき、後に現場での記録(騒音レベル瞬時値のデジタルデータ、レベルレコーダのチャート紙、野帳等)あるいはLA,Fmax、LA5等から判断して、異常な測定値が観測された実測時間区分を除いた残りの測定値をエネルギー平均して、その観測時間のLAeqとする。この方法による場合でもLAeqの計算に用いるデータの長さは最低10分間は確保する。

除外すべき音の処理方法は前述の方法の他、以下による。

a) 除外を要する音を録音し、除外の必要性を判断する。除外すべきか疑いのある音のみを補助的に録音する。除外すべきか疑いのある音とは、設定レベルを超える音が発生した場合に録音を開始するよう設定するもので、測定現場の等価騒音レベルに15~20dB加算したレベルが目安となる。また、一定時間間隔で、例えば10秒間録音するよう設定し、レベルが高くなくても発生時間が長い音について、前後の騒音レベルと比較して測定結果に影響があると判断する場合に除外する方法もある。

b) 騒音計の一時停止機能(ポーズ)により削除する。測定員は適切な対応がとれる距離で待機する必要がある。

c) 実測時間(例えば10分間値)の値を取得し、後にLAeq、LA,Fmax、LA50等から判断して除外する。除外すべき音の発生があったことを測定員が判断して、野帳に発生時間等を記入し、後で該当するデータを削除する。LAを連続記録し、野帳等を参考にして除外する。夜間無人測定などは、除外すべき音の発生があまりないと判断される場合に限る。

3.7 騒音測定時の環境条件

騒音測定時の天候条件として、降雨、降雪・積雪時などは測定を行わない。また、風雑音の影響を低減するために、騒音計のマイクロホンには必ずウインドスクリーンを装着することとし、ウインドスクリーンがあっても、風雑音や電線その他の風切り音により測定値に影響がある場合は測定を中止する。

解説

降雨、降雪・積雪時などは、常態の騒音が測定できないことから測定は中止する。

(注)降雨音や濡れた路面により騒音レベルの上昇が予想される反面、積雪による吸音等による低下も考えられる。また社会経済活動が変化して交通量の増減も見込まれ、常態と異なる可能性が高い。

風雑音については、ウインドスクリーンを付けることによって風速5m/s程度までは影響を少なくすることができる。地上付近で長時間風速5m/s以上が続く場合は測定を中止する。

なお、測定当日の気象データ(風向、風速、気温、湿度)、天候については、測定するかまたは最寄りの気象台から入手して記録しておくことが必要である。

3.8 交通条件

(1) 測定項目

騒音レベルの実測時間内の以下の交通条件を測定する。

  1. 上下別・車種別交通量
  2. 上下別・平均走行速度

車種区分は表3-3によるものとするが、大型車類については、表3-4に示す大型車Iによる騒音の寄与が非常に大きいと思われる場合は、大型車Iと大型車IIにさらに区分して測定することが望ましい。

解説

「道路に面する地域」における騒音の測定は、騒音レベルの測定だけではなく、その騒音に大きく寄与している自動車交通条件の測定が不可欠である。交通量及び平均走行速度を把握することにより、当該「道路に面する地域」の騒音の原因を特定し、実態に即した効果的な対策をとるための重要なデータを得ることができる。

なお、その他留意すべき点を以下に示す。

  • 大型車類のうち表3-4に示す大型車Iは、大型車IIに比べて騒音エネルギーが顕著に高いため、大型車類の交通量のうち大型車Iの占める割合が非常に大きい場合は、大型車類が騒音に与える影響が大きく異なってくることから、大型車類をさらに区分することが望ましい。
  • 大型車類の区分は自動車の単体騒音規制区分別(参考資料3参照)が望ましいが、車両などの外見から区別が困難と思われるので、大型番号標等を参考とし、表3-4のとおり区分するものとする。

表3-3 車種別交通量の車種区分

車種区分自動車の種類等
小型車類大型車類及び二輪車を除く自動車
大型車類表3-4に掲げる自動車
二輪車二輪自動車、原動機付自転車

表3-4 大型車類をさらに区分する場合の判断方法

区分ナンバープレートその他の特徴代表的な車種
大型車I
普通貨物自動車1、10~19及び100~199(大型番号標)3車軸以下(最大積載量5t以上)(車両総重量8t以上)キャブオーバトラック、ダンプ、トラクタ
特種用途自動車8、80~89及び800~899(大型番号標)普通車が2軸のトレーラをけん引等コンクリートミキサー車、タンク車
乗合自動車2、20~29及び200~299(大型番号標)乗車定員30人以上(車両総重量8t以上)観光バス、路線バス
大型車II
普通貨物自動車1、10~19及び100~199(小型番号標)車両総重量8t未満、最大積載量5t未満キャブオーバトラック、バン型トラック
特種用途自動車8、80~89及び800~899(小型番号標)冷蔵冷凍車、塵芥車
乗合自動車2、20~29及び200~299(小型番号標)乗車定員11人以上29人以下レンタカー、マイクロバス

(注)大型車IIの特種用途自動車には、改造前の自動車(乗用車、小型貨物車)と同程度の大きさのものは含めない。それらは小型車にカウントするものとする。(例:パトカー、小型キャンピングカー等)

(2) 測定方法

交通条件の測定方法は、以下のとおりとする。

  1. 原則、昼間の基準時間帯で2観測時間以上測定する。なお、夜間の基準時間帯において環境基準を大幅に超過すると思われるような地点については、夜間の基準時間帯についても2観測時間以上測定するものとする。
  2. 交通量は方向別・車種別に、騒音レベルの実測時間と同一時間において測定する。
  3. 平均走行速度は方向別に、交通量測定とできる限り同一時間において算出する。

解説

①交通条件の測定対象時間の選定

当該基準時間帯で大きな等価騒音レベルを示す時間を選定する。5dB程度環境基準を超過していると思われるような地点は、その基準時間帯の交通条件を2観測時間以上測定する。したがって昼間・夜間とも5dB程度環境基準を超過していると思われるような地点は、両基準時間帯で2観測時間以上交通条件を測定する。

なお、観測時間をいくつかの実測時間に区分し、連続的に測定する場合は、除外すべき音(3.6①を参照)を含まない実測時間区分の一つについて交通条件を測定する。

②交通量の測定

方向(上下)別、車種別に騒音レベル実測時間にあわせて測定するものとし、目視で通過台数をカウントする。また、トラフィックカウンター等の設備のある道路では、これらのデータを有効に活用する。

③平均走行速度の算出

a) 速度の測定

騒音レベル測定点前50~100mを通過する自動車群に着目し、その通過時間を計測することにより行う。その手順を以下に示す。

  • 測定点前の道路に、測定点を中心として標識を置くなどして、50~100mの測定区間を設ける。(パイロン等を置く、路面のマーカー類、電柱などを目印とするなどが考えられる。)
  • 車群の走行状態を代表すると思われる車両を選ぶ。
  • 選定した車両が測定区間を通過する時間をストップウォッチで計測し記録する。
  • 上記の計測を実測時間中に20台程度の車両に対して行い、その平均値を算出する。
  • 実測時間中の通過台数が少なく所要の台数に達しない場合は、得られた台数の平均値とする。

走行速度の測定は、この他にレーダースピードメーター、センサーによる電気的測定(光電管、感圧センサー等)、ビデオのコマ送り機能、トラフィックカウンターなどによっても可能である。

b) 平均走行速度の算出

方向(上下)別に騒音レベル及び交通量実測時間の中で、方向別にそれぞれ10台程度のサンプルを測定し、平均することにより行う。この場合実測時間中の平均的な走行状態を捉えることが目的であることから、定常走行している車両のみを選択する必要はないが、著しいスピード違反をするもの(暴走族など)は測定から除外する。

騒音測定の実測時間内に合計20台に満たない場合は可能な範囲でなるべく多くの車両の走行速度を測定し、平均走行速度を算出するものとする。

(注)測定に際しては、道路の使用許可等、必要な手続きを行うこと。

3.9 測定結果の整理方法

(1) 測定結果整理様式

騒音測定結果は、一定の実測時間を定め騒音測定を行う場合(表3-5)、またはいくつかの実測時間区分に分け連続測定を行う場合(表3-6)の様式により整理する。

(2) 測定結果の表記方法

測定結果の整理にあたっては、以下の点に留意する。

  1. 有効実測時間は、pause等による測定休止時間を除く実測時間(秒)。
  2. 基準時間帯平均騒音レベルは、有効な観測時間騒音レベルの、等価騒音レベルはエネルギー平均、時間率騒音レベルは算術平均により求める。
  3. 車種区分については、測定時に区分した車種区分に合わせて項目を設ける。
  4. 高架道路併設街路等の複断面の道路においては、同様の様式により、交通量及び速度を道路構造別にまとめる。

参考資料

参考資料1. 「騒音に係る環境基準について」(平成10年9月30日環境庁告示第64号)

平成10年9月30日環告64 改正 平成24年3月30日環告54

環境基本法(平成5年法律第91号)第16条第1項の規定に基づく騒音に係る環境基準について次のとおり告示する。

環境基本法第16条第1項の規定に基づく、騒音に係る環境上の条件について生活環境を保全し、人の健康の保護に資する上で維持されることが望ましい基準(以下「環境基準」という。)は、別に定めるところによるほか、次のとおりとする。

第1 環境基準

1 環境基準は、地域の類型及び時間の区分ごとに次表の基準値の欄に掲げるとおりとし、各類型を当てはめる地域は、都道府県知事(市の区域内の地域については、市長。)が指定する。

地域の類型基準値(昼間)基準値(夜間)
AA50デシベル以下40デシベル以下
A及びB55デシベル以下45デシベル以下
C60デシベル以下50デシベル以下

(注)

  1. 時間の区分は、昼間を午前6時から午後10時までの間とし、夜間を午後10時から翌日の午前6時までの間とする。
  2. AAを当てはめる地域は、療養施設、社会福祉施設等が集合して設置される地域など特に静穏を要する地域とする。
  3. Aを当てはめる地域は、専ら住居の用に供される地域とする。
  4. Bを当てはめる地域は、主として住居の用に供される地域とする。
  5. Cを当てはめる地域は、相当数の住居と併せて商業、工業等の用に供される地域とする。

ただし、次表に掲げる地域に該当する地域(以下「道路に面する地域」という。)については、上表によらず次表の基準値の欄に掲げるとおりとする。

地域の区分基準値(昼間)基準値(夜間)
A地域のうち2車線以上の車線を有する道路に面する地域60デシベル以下55デシベル以下
B地域のうち2車線以上の車線を有する道路に面する地域及びC地域のうち車線を有する道路に面する地域65デシベル以下60デシベル以下

備考:車線とは、1縦列の自動車が安全かつ円滑に走行するために必要な一定の幅員を有する帯状の車道部分をいう。

この場合において、幹線交通を担う道路に近接する空間については、上表にかかわらず、特例として次表の基準値の欄に掲げるとおりとする。

基準値(昼間)基準値(夜間)
70デシベル以下65デシベル以下

備考:個別の住居等において騒音の影響を受けやすい面の窓を主として閉めた生活が営まれていると認められるときは、屋内へ透過する騒音に係る基準(昼間にあっては45デシベル以下、夜間にあっては40デシベル以下)によることができる。

2 1の環境基準の基準値は、次の方法により評価した場合における値とする。

  1. 評価は、個別の住居等が影響を受ける騒音レベルによることを基本とし、住居等の用に供される建物の騒音の影響を受けやすい面における騒音レベルによって評価するものとする。この場合において屋内へ透過する騒音に係る基準については、建物の騒音の影響を受けやすい面における騒音レベルから当該建物の防音性能値を差し引いて評価するものとする。
  2. 騒音の評価手法は、等価騒音レベルによるものとし、時間の区分ごとの全時間を通じた等価騒音レベルによって評価することを原則とする。
  3. 評価の時期は、騒音が1年間を通じて平均的な状況を呈する日を選定するものとする。
  4. 騒音の測定は、計量法(平成4年法律第51号)第71条の条件に合格した騒音計を用いて行うものとする。この場合において、周波数補正回路はA特性を用いることとする。
  5. 騒音の測定に関する方法は、原則として日本工業規格Z 8731による。ただし、時間の区分ごとに全時間を通じて連続して測定した場合と比べて統計的に十分な精度を確保し得る範囲内で、騒音レベルの変動等の条件に応じて、実測時間を短縮することができる。当該建物による反射の影響が無視できない場合にはこれを避けうる位置で測定し、これが困難な場合には実測値を補正するなど適切な措置を行うこととする。また、必要な実測時間が確保できない場合等においては、測定に代えて道路交通量等の条件から騒音レベルを推計する方法によることができる。なお、著しい騒音を発生する工場及び事業場、建設作業の場所、飛行場並びに鉄道の敷地内並びにこれらに準ずる場所は、測定場所から除外する。

3 環境基準の達成状況の地域としての評価は、次の方法により行うものとする。

  1. 道路に面する地域以外の地域については、原則として一定の地域ごとに当該地域の騒音を代表すると思われる地点を選定して評価するものとする。
  2. 道路に面する地域については、原則として一定の地域ごとに当該地域内の全ての住居等のうち1の環境基準の基準値を超過する戸数及び超過する割合を把握することにより評価するものとする。

第2 達成期間等

1 環境基準は、次に定める達成期間でその達成又は維持を図るものとする。

  1. 道路に面する地域以外の地域については、環境基準の施行後直ちに達成され、又は維持されるよう努めるものとする。
  2. 既設の道路に面する地域については、関係行政機関及び関係地方公共団体の協力の下に自動車単体対策、道路構造対策、交通流対策、沿道対策等を総合的に実施することにより、環境基準の施行後10年以内を目途として達成され、又は維持されるよう努めるものとする。ただし、幹線交通を担う道路に面する地域であって、道路交通量が多くその達成が著しく困難な地域については、対策技術の大幅な進歩、都市構造の変革等とあいまって、10年を超える期間で可及的速やかに達成されるよう努めるものとする。
  3. 道路に面する地域以外の地域が、環境基準が施行された日以降計画された道路の設置によって新たに道路に面することとなった場合にあっては(1)及び(2)にかかわらず当該道路の供用後直ちに達成され又は維持されるよう努めるものとし、環境基準が施行された日より前に計画された道路の設置によって新たに道路に面することとなった場合にあっては(2)を準用するものとする。

2 道路に面する地域のうち幹線交通を担う道路に近接する空間の背後地に存する建物の中高層部に位置する住居等において、当該道路の著しい騒音がその騒音の影響を受けやすい面に直接到達する場合は、その面の窓を主として閉めた生活が営まれていると認められ、かつ、屋内へ透過する騒音に係る基準が満たされたときは、環境基準が達成されたものとみなすものとする。

3 夜間の騒音レベルが73デシベルを超える住居等が存する地域における騒音対策を優先的に実施するものとする。

第3 環境基準の適用除外について

この環境基準は、航空機騒音、鉄道騒音及び建設作業騒音には適用しないものとする。

附則:この告示は、平成11年4月1日から施行する。

参考資料2. 「騒音の評価手法等の在り方について(答申)」(平成10年5月22日中環審第132号)

中環審第132号 平成10年5月22日

環境庁長官 大木 浩殿

中央環境審議会会長 近藤次郎

騒音の評価手法等の在り方について(答申)

平成8年7月25日付け諮問第38号をもって中央環境審議会に対して諮問のあった「騒音の評価手法等の在り方について」について、下記のとおり結論を得たので答申する。

はじめに

昭和46年に設定された現行の環境基準では、騒音の評価手法として騒音レベルの中央値(L50,T)によることを原則としてきた。しかし、その後の騒音影響に関する研究の進展、騒音測定技術の向上等によって、近年では国際的に等価騒音レベル(LAeq,T)によることが基本的な評価方法として広く採用されつつある。このような動向を踏まえると、環境基準における騒音の評価手法の在り方について再検討が必要となる。

また、騒音の評価手法の再検討に関連して環境基準の基準値等の在り方についても再検討が必要となるが、その際には、現行の環境基準が設定された以降の騒音影響に関する科学的知見の集積や、騒音問題の現状及び今後の対策の方向を踏まえて検討する必要がある。

1. 騒音の評価手法の在り方

騒音のエネルギーの時間的な平均値という物理的意味を持つ等価騒音レベル(LAeq,T)による騒音の評価手法は、以下の利点がある。

  1. 間欠的な騒音を始め、あらゆる種類の騒音の総暴露量を正確に反映させることができる。
  2. 環境騒音に対する住民反応との対応が、騒音レベルの中央値(L50,T)に比べて良好である。
  3. 1)の性質から、道路交通騒音等の推計においても、計算方法が明確化・簡略化される。
  4. 等価騒音レベルは、国際的に多くの国や機関で採用されているため、騒音に関するデータ、クライテリア、基準値等の国際比較が容易である。

しかし、一方で、騒音レベルの変動に敏感な指標であるため、騒音の変動が大きい場合には、騒音レベルの中央値に比べてより長い測定時間を必要とすることから、測定の安定性と実用性の確保が重要となる。

以上から総合的に判断すると、騒音の評価手法としては、これまでの騒音レベルの中央値による方法から等価騒音レベルによる方法に変更することが適当である。

2. 評価の位置及び評価の時間等

(1) 環境基準の評価の原則

評価は、個別の住居等が影響を受ける騒音レベルによることを基本とし、住居等の建物の騒音の影響を受けやすい面における騒音レベルによって評価することが適当である。

(2) 環境基準の達成状況の地域としての把握の在り方

一般地域(道路に面する地域以外の地域)においては、原則として一定の地域ごとにその地域を代表すると思われる地点を選んで評価することが適当である。

道路に面する地域においては、一定の地域ごとに面的な騒音暴露状況として地域内の全ての住居等のうちの基準値を超過する戸数、超過する割合等を把握することによって評価することが適当である。

3. 評価手法の変更に伴う環境基準値の再検討に当たっての考え方

(3) 騒音影響に関する屋内指針の設定

表1 騒音影響に関する屋内指針

一般地域道路に面する地域
昼間(会話影響)45dB以下45dB以下
夜間(睡眠影響)35dB以下40dB以下

(4) 建物の防音性能

建物の防音性能については、通常の建物において窓を開けた場合の平均的な内外の騒音レベル差(防音効果)は10dB、窓を閉めた場合は建物によって必ずしも一様でないが、通常の建物においておおむね期待できる平均的な防音性能は25dB程度であると考えられる。

(5) 時間帯の区分

昼間は午前6時から午後10時まで、夜間を午後10時から翌日午前6時までとして、都道府県等による差を設けず、一律に適用することが適当である。

4. 一般地域における環境基準の指針値

表2 一般地域の環境基準の指針値

地域の区分昼間夜間
特に静穏を要する地域(AA地域)50dB以下40dB以下
主として住居の用に供せられる地域(A地域)55dB以下45dB以下
相当数の住居と併せて商業、工業等の用に供される地域(B地域)60dB以下50dB以下
5. 道路に面する地域の環境基準の指針値

表3 道路に面する地域の環境基準の指針値

地域の区分昼間夜間
専ら住居の用に供される地域(C地域)60dB以下55dB以下
主として住居の用に供される地域(C地域を除く)及び相当数の住居と併せて商業、工業等の用に供される地域(D地域)65dB以下60dB以下

この場合において、幹線交通を担う道路に近接する空間については、道路に面する地域の指針値の特例として上表にかかわらず次表の指針値のとおりである。

昼間夜間
幹線交通を担う道路に近接する空間70dB以下65dB以下

騒音の影響を受けやすい面において、主として窓を閉めた生活が営まれていると認められる場合については、透過する騒音に係る指針値(屋内へ透過する騒音が昼間45dB以下、夜間40dB以下であることをいう。)によることができる。

6. 環境基準の指針値の達成期間等

道路に面する地域以外の地域については、環境基準設定後直ちに達成又は維持されるよう努めるものとすることが適当である。

既設道路においては、環境基準の指針値を現に下回っている場合にはこれを維持し、現に超過している場合には、自動車単体対策、道路構造対策、交通流対策、沿道対策等を総合的に講ずることにより10年を目途として達成されるよう努めるものとすることが適当である。

夜間等価騒音レベル73dBを目安として、これを超える地域における騒音対策を優先的に実施するものとすることが適当である。

7. 今後展開するべき施策

道路交通騒音対策を強力に推進するとともに、新たな環境基準の達成を図るために、特に以下の施策を早急に展開する必要がある。

  1. 自動車単体対策の促進と低騒音な自動車の普及
  2. 高騒音地域にプライオリティを置いた対策の段階的かつ計画的な実施
  3. 沿道対策の推進強化
  4. 新環境基準に対応したモニタリング体制の確立

参考資料3. 車種分類(自動車単体規制、道路交通センサス、道路運送車両法及び道路交通法)

①自動車単体規制における車種分類

自動車単体規制における車種分類は以下のとおりである。

  • 大型車類:車両総重量が3.5tを超え、原動機の最高出力が150kWを超えるもの(トラック、バス、全輪駆動車、トラクタ及びクレーン車)
  • 中型車:車両総重量が3.5tを超え、原動機の最高出力が150kW以下のもの(全輪駆動車、全輪駆動車以外のトラック・バス)
  • 小型車:車両総重量が3.5t以下のもの(軽自動車以外、軽自動車)
  • 乗用車:専ら乗用の用に供する乗車定員10人以下のもの
  • 二輪自動車:小型二輪自動車(排気量0.250Lを超えるもの)、軽二輪自動車(排気量0.125Lを超え0.250L以下のもの)
  • 原動機付自転車:第二種(排気量0.050Lを超え0.125L以下のもの)、第一種(排気量0.050L以下のもの)

②道路交通センサスの8車種分類

道路交通センサスでは以下の8車種に分類される。

  • 乗用車類:軽乗用車、乗用車
  • バス
  • 貨物車類:軽貨物車、小型貨物、貨客車、普通貨物
  • 特種車・特殊車