第2編 設計条件

第1章 設計条件の基本

漁港・漁場の施設の設計条件は、自然条件、経済的・社会的条件、自然環境・漁場環境・生活環境に及ぼす影響、工事や施設の維持管理に係る経済性、水産物の的確な品質・衛生管理、漁村の生活環境の整備との一体性などを考慮して、施設の安全性と機能が確保されるよう適切に定めるものとする。

(1) 設計条件の考慮事項

漁港・漁場の施設の設計にあたっては、以下の事項を考慮しつつ、適切に設計条件を定めるものとする。

  1. 自然条件 — 平面地形、海底地形、波、流れ、潮位、漂砂、水温、塩分、漁場整備の対象生物、風、底質、土質、景観等の自然条件は、構造物に働く作用や施設の機能の確保に重要な影響を与えるため、適切に定めるものとする。

  2. 経済的・社会的条件 — 漁業の実態(漁業形態、漁業生産量、受益戸数、漁船数等)、漁港の陸揚量、漁港と消費地との地理的関係、漁村の状況、水産物流通の状況、地域の防災体制、プレジャーボートの保管状況、海洋性レクリエーションの状況、海上交通の状況、自治体の財政状況、工事用車両・船舶の諸元等の経済的・社会的条件は、施設の規模と配置に影響を与えるため、適切に定めるものとする。

  3. 周辺環境への影響 — 沿岸域における動植物の生態系、漁場環境、自然及び漁村の景観、海浜地形、水質、底質等の周辺環境への影響を考慮して、適切に設計条件を定めるものとする。

  4. 工事や施設の維持管理に係る経済性 — 施設の建設費及び維持管理費を総合的に考慮して、適切に設計条件を定めるものとする。

  5. 水産物の的確な品質・衛生管理 — 近年、安全で安心な水産物の供給が強く求められていることから、港内水質の浄化や岸壁周辺の衛生環境の改善など、漁港における陸揚げから流通までの間の水産物の品質・衛生管理に配慮して、適切に設計条件を定めるものとする。

  6. 漁村の生活環境の整備との一体性 — 漁村は都市部に比べていまだ生活環境の整備が立ち遅れ、高齢化の進展も早いことから、利用者の利便性に配慮し、漁村の生活環境の向上にも資するよう、適切に設計条件を定めるものとする。

(2) 設計条件の項目

具体的には、次に掲げる項目のうちから必要な設計条件を適切に定めるものとする。

  1. 潮位
  2. 波及び波力
  3. 津波及び津波波力
  4. 流れ及び流れの力
  5. 風及び風圧力
  6. 漂砂
  7. 地震力
  8. 土質
  9. 土圧
  10. 水圧
  11. 荷重
  12. 漁船の諸元
  13. 漁船により生じる作用
  14. 材料
  15. 水質・底質
  16. その他必要な設計条件

なお、その他必要な設計条件としては、蝟集・増養殖の対象生物、施設の利用方法、景観、交通、地形等が考えられる。